こんにちはわかめです。
いつもは中古住宅のインスペクションが多いのですが、今回は某会社様の新築建売住宅のインスペクションのご依頼がありました。
今回のご依頼主は小さなお子様のいるお若いご夫婦。
工事中に契約をし、近々引渡し前施主同席の竣工検査があるのでそれまでにインスペクションをして、プロの目からの指摘事項を知り是正をしてもらい、安心して引き渡しを受けたいとのことでした。
確かに、一般のお客様に気になる部分の検査をと言われても、ぱっと見では分からないですよね。
新築のインスペクションは当然ご依頼の内容にもよりますが、中古住宅と違い劣化状況は不要なので、まずは図面通りに出来ているかが基本です。
物件は工事中のため、販売会社様にご協力を頂き、建築図面資料を請求し申請書類・構造計算書・施工図・仕様書・工事中写真などを一式揃えることが出来ましたので、前もって書類をチェックでき、当日はスムーズに調査が出来ました。
資料によると性能評価書を取得しており、耐震等級3、断熱等級5という高性能な評価なので、こちらも評価通りの施工がされているかも調査の一つですが、すでに完了間近の為外壁の中に隠れている耐震の為の釘のピッチ、金物の施工状況などは確認できませんので、工事中写真のチェックと小屋裏に潜った際の見える範囲での調査になります。
ただ、代表の酒井はインスペクターであり、日々施工をしている大工であるので、建築士・大工の目で調査をしています。
ここが他社様との調査の違いであるといえます。

断熱等級ですが、断熱等級が以前(令和4年度まで)は等級4が最高値でしたが、それ以降等級が7までに増え、今年4月に改正省エネ法が施行となり、最低基準が等級4レベルとなりました(※着工時はまだ省エネ法は施行前)。
こちらの物件は等級5のZEH(ゼッチ)レベルですので、断熱材・窓・設備などを高性能なものにしなければなりません。
検査はそれらが性能評価書通りに使われているか、断熱材についてはしっかり施工がされているかが調査項目になります。

小屋裏・床下での断熱調査は、指定通りの材料でかつ、気密テープでしっかりと施工されておりました。
床下の給排水配管は水漏れリスクの少ないヘッダー配管工法や排水の接続部には透明の曲り部材を使っており、施工状況やつまりの確認が出来たりと、性能表示通り劣化対策・維持管理対策もされていました。


新築のインスペクションは、完成した時だけではありません。完成時だけですと、どうしても壁に隠れて見えなくなる部分がとても多いです。
もしご覧になっている方で、工事中の不安がある方がいらっしゃれば、施工中の耐震金物・防水工事などは重要な工事になりますので、弊社ではそのような調査も承っておりますので、気軽にご相談ください。

調査の最後にお施主様と指摘事項を一緒に確認して頂き、調査報告書を後日お送りするお約束をして完了いたしました。
帰りがけに物件が吉原商店街に近いという事で、今週に迫った吉原祇園祭に、にわかにソワソワした町をみて、私も遥か昔このお祭りにソワソワしていたころを思い出し、ちょっとクスッとして帰りました。