こんにちは、わかめです。
今日は先日、9月吉日に移転オープンした沼津アーケード名店街の老舗呉服店「くらやす」様の新店舗開店までのお話。
2回に分けてご紹介します。
さかのぼること昨年末、インターネットからインスペクションのご依頼から始まりました。
木造中古物件購入前、地続きの2軒分のご依頼でした。
1軒は平成5年の母屋、もう1軒は昭和37年築62年、以前は住居兼動物病院でした。
元々は別々のお宅でしたが、お隣さん(母屋)が数年前購入したそう。今回合わせて販売。
新しい方(母屋)には住居として住み、旧動物病院では一部店舗改装して小物売り店舗として使えるかどうか、改装して5年程持てばよい、その後は売却も考えているとのこと。
何か事情があるんだろうなと思いながらインスペクションを実施しました。
結果平成5年の建物は構造的には大きな問題なし。しかし旧動物病院は5年もたせるために改装費用を出すには費用がかかりすぎる。
耐震性0、劣化が激しく店舗部分以外にも改装が必要、店舗としては駐車場がないなど、今後店舗・住宅としての使用は難しく解体レベル。
事情をお聞きしたところ、お施主様は沼津アーケード名店街、老舗呉服店くらやすのオーナー様で、実は再開発の為8月には退去しなければならないので急いで物件を探している、新しい住居ができるまでくらやす店舗を移転し、小さな和小物店を作りたいとのこと。
私も今回初めて再開発の事を知りました。5年後に地下駐車場を兼ねた店舗+住居用マンションが建つんだとか。
なるほど、それで5年もてばいいのか…。
インスペクションの結果を報告した上で、今後の相談に乗ってほしいとのお話を頂きましたので考えてみました。
「旧動物病院は解体し駐車場として使用、母屋の一部を店舗として改装しその他を住居にしたらどうか」
中古物件とはいえ、沼津駅南口から沼津港にまっすぐ伸びるさんさん通り沿い、永代橋のすぐそば。やっぱりなかなかのお値段。
物件販売資料には店舗として使用可能と書いてあり検討をしたそうですが、耐震性がない上に状態がひどく改装は無理であることを売り主に伝え、その上で解体をしてもらうか、値引き交渉したらどうでしょうと。多少はうまくいったようです。
8、9月のオープンを目指して、6月中頃まずは母屋の着工。住居部分に内窓(インプラス)設置。
既存窓を断熱窓へ改修することでエネルギー費用負担の軽減、健康で快適なくらしの実現および家庭からのCO2排出削減に貢献する、という主旨の環境省から出ている「先進的窓リノベ2024事業」の補助金を利用してかなりお得にリフォーム。
既存窓が当時はやっていた「ジャロジー窓」といってガラスが何枚も羽根になっていて通風が可能なデザイン窓。この窓がなんせ寒い。
隙間だらけなので、今はほとんど使われていません。この窓の室内側にもう一枚窓を付けることにより、隙間風を無くし断熱性をあげることができます。
さらに防音にもなるので一石二鳥。
こちらの補助金は令和7年度も継続が決定しています。
次に店舗。道路側に面して6畳のリビング和室があり、ここを店舗にすることをご提案。
・道路側に面しているので、店舗として可能
・玄関を通らず住宅用出入口との区別ができる
・キッチンダイニングが広めなので、リビングが無くても事足りる
・現在の店舗よりずっと小規模でよいとの希望だったので、6畳の和室+2畳の収納を撤去し8畳の広さにする
・もとは住宅なので、道路と出入口との高低差約60㎝をウッドデッキで解消
・出入口に大き目な庇を付ける
画面左側建物の一部を店舗に改装、画面右側建物を解体し、駐車場に。
和室リビング6畳
工事内容は
・和室を解体し、洋室へ
・廊下側に店主用の通用口を新設
・掃出し窓を店舗用断熱引き戸に取替え(こちらも補助金対象)
・大きな庇を取付け
・外壁を一部張替え
・滑りにくい人口木材デッキの設置
・手摺取付
・看板設置
和室・押入れを解体。
工事完了。和小物店に合うような木製の照明器具を選びました。
旧店舗にあった室内看板を設置
窓ガラス用カッティングシート看板。一発勝負の真剣作業。
庇・デッキと手すりを設置し完成。画面右側にあった旧動物病院は解体し、駐車場にしました。
次回は旧くらやす様のあったアーケード名店街解体についてご紹介します。