「家でくつろぐ幸せを」それがHygge(ヒュッゲ)
「居心地の良い雰囲気、空間、くつろげる時間」など、名詞、動詞、形容詞とも言える、幸せな心の状態を生み出しているヒュッゲ。
便利になりすぎてしまってゆとりを失くした人たちのキーワードとなる言葉です。
「家族や友人との時間を持てていますか?」
「無理をしたり見栄を張っていませんか?」
「手作りに温もりを感じていますか?」
「今あるものに感謝していますか?」
スマートフォン一つで買い物をしたり、音楽を聴いたり、ニュースを見たりできて、とても暮らしが豊かになりました。
しかし豊かになったから幸せ、というわけではありません。
スマホばかり見てしまうと、家族や友人との会話は減ってしまいます。
SNSでいいね!がほしくて見栄を張ると無理をしてしまいます。
コスパを考えたら作るより買ったほうが安い、でもそればかりだと温もりを感じることができません。
デンマークの人たちは、自然を感じながら物を大切にし、家族や友人と無理をせず、ミニマムに暮らしています。
プライベートでは重役も部下も関係なく皆平等。
ボランティア活動には積極参加。
自宅に近所の人や友人を招いた時には、作るところから一緒にスタートして、特別な料理は出さないけど、自分のお気に入りのお皿に盛り付けて会話を楽しみながらの食事。
幸せはシェアして分かち合う。
見返りを求めず、利己的でなく利他の心で人に親切にすると、巡り巡って自分を幸せにする。
決して派手ではないけど、じんわりと心の奥から滲み出てくるような奥深い感情が、デンマーク人を幸せにしてると思います。
ゆっくりとした時間が流れ、好きなものに囲まれて穏やかに暮らす。
幸せになりたいではなく、「こうしてる時が一番幸せ」とシンプルに考えることが、国民の幸福度に繋がっているように思います。
そのように考えると、家づくりも幸福度を上げる大きなウェイトをしめていると思います。
友人の家、雑誌などを見てこんな家に住みたい、周囲の家よりも大きくてかっこいい家がいい。いろんな夢が広がってきます。
でも少し立ち止まって考えてみると、多様な価値観がある現代で、他人がいいと言っていることが自分にとっていいとは限らないということです。
身の丈にあった家ではなく、何が必要で何がいらないのか。
家具が大好きで、この椅子で本を読んだり、コーヒーを飲んだりする時が一番幸せを感じるなら、少し高いと思った椅子でも買って長く使う。
長く使うから愛着がわき、物を大切にする。
家も暑いし寒いから建て替えるのではなく、初めから断熱効果を良くして長く住む。
工業製品ばかりでなく、大工さんの手造りの木の家だから愛情を感じる。
こんなことなどから、家づくりでも幸せを感じることができるのではないのでしょうか。
昔の家づくりは棟梁と呼ばれる人がいて、建てる前の打ち合わせから施工、引き渡しまで一貫してその家に関わってきました。
長く現場にいるから愛着がわく、お客様と長い付き合いになっているから愛情をもって家を造る。
愛情をもって造ってもらったから大切にする。
大切にするから愛情がわく。とても素敵な関係ですね。
現代の建物で、このような愛情のある家づくりはどのくらいあるのでしょうか。
家に居るときにはリラックスした心の状態、落ち着いていられる、そんな空間づくりを、私たちはお手伝いできればと思っています。