こんにちはわかめです。
毎日あっという間に終わってゆき、気づけば4月半ばに差し掛かり、開花が遅かった桜はもう葉桜になり始め・・・。
日々の仕事にいいぱいいっぱいでブログが後回し。読んでくださる方に言い訳をしてダメですね。
頂けるお仕事の合間に自宅の工事をしています。
時をさかのぼり、今日は防蟻(ぼうぎ)工事をつづります。
以前のブログで建物の柱や壁がシロアリに食べられてしまった事をお話しました。
腐ってしまった柱や土台、梁などを防蟻防腐性の高いヒノキで入れ替え、金物で耐震補強を施したところまででした。
次にもうシロアリを近づけさせないための防蟻工事です。
一般的に防蟻薬剤として今使われているのが、合成ピレスロイド系・ネオニコチノイド系などの農薬系の薬剤。
2000年頃までの農薬系はシックハウス症候群が問題視され使われなくなりましたが、現在の上記薬剤も揮発性の為シックハウス症候群を引き起こす一因で、背景には高気密性と循環換気の省エネ住宅では、薬剤の揮発成分が家の中に充満し体に蓄積されてしまうという恐れもあります。
さらに特徴として揮発・分解の為最長5年で効果が薄れるため、5年ごとの処理が必要です。駆除には適しているが予防には不向きという特徴があります。
弊社で使用しているものは上記の農薬系ではなく、ホウ酸塩という哺乳類には害のない薬剤。
ホウ酸は海水や温泉水中に多く含まれており、植物にとって必須微量元素であることから、人間も野菜や果物を食べることで日常的に摂取しています。
身近なところでは目薬やコンタクトレンズの保存液などにも使われてるほど安全であること。
そんなものでシロアリがいなくなるのか?
人や哺乳類が必定以上にホウ酸を摂取した場合には、腎臓の浄化作用で短期間に排泄されます。
しかしシロアリや昆虫には腎臓がない為、毒性を浄化できずホウ酸が蓄積して死ぬという仕組み。
その仕組みでできたものが、「ゴキブリ団子」あれ、けっこう効きますよね。
さらに長所として
・揮発しないので部屋の空気を汚さない
・揮発・分解しないので持続効果が長い
・ホウ酸が木部内部へ浸透し保護層になる
・予防に適している
短所は
・水に弱く、流れてしまうと効果が無くなる
・駆除には不向き
欧米では主流な薬剤なんです。
という事で、弊社では安全性抜群なホウ酸塩でできた「エコボロン」という防蟻塗料を使っています。
ただ短所の水に弱いという性質から、雨に濡れないよう保護する必要があるため、今回のようなリフォームやリノベーションには施工のタイミングや養生などをミスると効果が無くなってしまうので、扱いにくい短所もあります。
今回も、雨に濡れないよう処理をしなくてはいけないので、一気に工事は出来ません。
サッシの取付や耐力壁+防水紙などで保護できるよう段取りよく行いました。
基準は土台から1m塗布する必要があります。
しかし、今回2階まで被害があったため2階梁まで全部施工しました。(念のため)